しつこく、皮脳同根の周辺。
こんにちは!
犬の食事療法インストラクター師範 necco舎の はなこ です。
今日もしつこく『皮脳同根』つながりの話題です。
私はすご~く面白かったので長々と書いちゃうんですが(笑)
理屈っぽくて
ご興味のない方には辛いと思うので
そういう場合は、ぜひスルーでお願いします^^
さて、
『第三の脳』『賢い皮膚』と、
続けて読んだ傳田光洋さんの本。
ボリュームとしてはほんの一部ですが
皮膚をマッサージなどで刺激することについての記述もありました。
皮膚を揉んだり指圧したりすることで
身体が温かくなったり、心地よくリラックスできるのは
誰もが経験することだと思いますが
その科学的裏付けです。
皮膚刺激によって体温が上がり、
体温が上がることによって血流がよくなり、
それにつれてリンパ液など体液の循環がよくなる…ということは
これまでも、ある程度はわかっていました。
でもそれは、それ以上でも以下でもなく
リラクゼーションの類いというか
なんだか気分が良くなるし、
それでストレスも軽くなるんじゃない?というような
曖昧なイメージでもあったかもしれません。
もちろん、
そういうリラックス効果を
科学が否定することはなかったにせよ
積極的に検証したり、そこに焦点を当てて語ることは
医学の分野では今まであまりなかったそうです。
オキシトシンというホルモンをご存知でしょうか。
俗に「愛情ホルモン」と言われているものです。
私が最近ネットのニュースで見たのは
犬と見つめ合うとオキシトシンが分泌されるというもの。
だから犬は人間の精神的な暮らしを豊かにしてくれる存在ですよ、
というような内容でした。
医学的、生理的にわかっていることの中では
赤ちゃんがお母さんの乳房に吸い付くと
お母さんの脳下垂体からそのオキシトシンが分泌されて
お乳の出がよくなる、ということがあります。
(子宮を収縮させるなど、出産にも関わるホルモンだそうです。)
「愛しい」「この子を守り育てたい」という愛情と
もっと言えば、さらにその先にある
”種を守る”というところにも繋がるのだと思います。
驚いたのは、
そのオキシトシンを鼻に噴霧しただけで
人に対する信頼度が有意に増す、という実験結果があるそうで。
愛情とか信頼に関わるホルモンであることがわかります。
また
βエンドルフィンという別のホルモンがあります。
傷病兵のいる病院で
軽症なのに「痛い痛い」と大騒ぎしている戦士がいる一方で
命に関わるような怪我を負っている戦士が
落ち着いてリラックスしているのはなぜ?
…というところから研究されたホルモンであると
私がまだ若かったころに、大きな話題になりました。
これは通称
「脳内モルヒネ」とか「快楽ホルモン」と言われるものですが
重症な戦士ほど、βエンドルフィンが分泌されていて
それによって
本来感じているはずの痛みを打ち消しているというのです。
この本によれば
オキシトシンも、βエンドルフィンも
皮膚刺激によって分泌が促進されるという
動物実験による報告があるのだそうです。
その一方で
皮膚に炎症があったり、
キツイ下着などで締め付けられてストレスがかかると
コルチゾールというストレスホルモンが分泌されることもわかったそう。
皮膚への刺激には意味があるし、
「皮膚と脳はつながっているのねー」と感じた次第。
皮膚は外敵(異物)の侵入を第一線で防御してくれる
強固な免疫機能を備えているそうだし
(だから皮膚移植は難しいそうです)
単なる皮じゃないんですよね。
生きものが
自分は自分であると認識できるのも
皮膚という境界があってこそ。
視覚聴覚が遮断され、皮膚感覚や重力も感じにくくなるような
特殊な実験装置に入ると
自分自身というものが身体からずれて
浮遊しているような感覚になったり
意識が自分から離脱するような感覚になるそうです。
つまり、皮膚(境界)というものの存在が
自我を意識させているものの一つだということ。
皮膚は単に内臓や筋肉を守っている袋ではなくて
自分を自分たらしめている大事な器官だというわけです。
皮膚と脳が
密接に繋がっているということは疑いようがないし
皮膚は脳をうす~く広げたようなもの、という
いつかどこかで聞いたフレーズが
「そういうことだったのか~」と腑に落ちる気がしました。
私が学んだマッサージは
リラクゼーションを目的としたものではないし
皮膚というよりも、筋肉に直接働きかけて機能の改善を図るものですが
施術中の犬たちを見ていると
当然皮膚からも、
その心地良さを受け取ってくれているのがわかります。
皮膚へのアプローチはいろいろな方法があるし
単に”撫でる”という行為だって
犬たちにはきっと大きな働きかけであるはず。
スキンシップ、大事ですね♪
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